この恋路に幸あれ
10分後・・・――。
「完成ー!!」
うん、上出来。
完成に見惚れていると
店の方からチャリン、チャリンっと
お客が来たことを知らせる鈴がなる。
出来てが美味しいのにっと
思いながらも出来上がったケーキを
置いたまま店へと行く。
「いらっしゃ…って、アズサじゃない」
「よ、」
いつになく
難しい表情をしたアズサ。
「眉間に皺が寄ってる」
「う、うるさいっ!!」
またタダでケーキを
食べに来たのかと思ったが
今日がホワイトデーだと理解すると
アズサのこの表情の理由を察知出来る。
既に家で一乱あったのか
疲れ切ってるようにも見えた。
「で、何にするの?
お姉ちゃんsにプレゼントでしょ??」
「…」
口ごもるアズサは
話を逸らすかのように話題を変えた。