この恋路に幸あれ




「何か作ったのか?
甘い香りがする・・・」


「あ~、それね
さっきホットケーキを作ったの」


それを聞いたアズサは
目の色を変えて
「それ、くれ!」っと言う。


「え、えええー?!
ちょ、ちょっとアズサっ!!」


アズサに押され
厨房へと連れて行かれる。


「このホットケーキくれ!」


置きっ放しにしてたケーキを見るなり
獲物を見つけた狼のような勢いで迫ってくる。


「な、な~に~?!」


両手で肩を捕まれ揺さぶられ
上手く喋れない。


今日のアズサは何なの?


元々あげるつもりではいたが
向こうからくれって…何かおかしい。


それにもう冷めちゃって美味しくないだろう。







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