この恋路に幸あれ



「だめ。これは私のなの!
売り物じゃないわよ」


これをあげて
もしも何かあったら
店の看板に傷がついてしまう。

そう思った私は断固拒否する。


「そこを何とか頼むって!!
俺と心愛の仲だろ?」


両手を合わせて頼むアズサ。


普段ならこんなことするなんて
有り得ないに等しいのに…。



今日の私は自分で言うのも
何だが冴えてると思う。


「もしかして…
ホワイトデーのプレゼントが
これだったり、する?」


ホットケーキを指しながら言うと
「げっ、バレた」って顔を一瞬見せたが
直ぐさまブンブンと縦に首を振る。


これは水姫さんだろう。

前にホットケーキを焼いてあげたら
物凄く喜んでくれ絶賛していたから。


「分かったよ、
ホットケーキあげるから」


お姉ちゃんsの言うことを
聞かなかった時のことを考えると
アズサが可哀相に思ったから。

きっと何らかがアズサに起こるだろう。

それもきっと良くないことが。


逆チョコ(ケーキ)のこともあったので
了承することにした。



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