この恋路に幸あれ
「1050円ね」
「ほらよ」
最初に売ったのが
アズサってのが
私的には気に食わないけど
売れて良かったとホッとする。
箱を1箱だけ持ち
帰ろうとするアズサに
「ちょっと忘れてるわよ」っと呼び止める。
扉を開け振り返りながら一言。
「今年もあげる奴が居ない寂しい心愛に
俺から逆ギリケーキやるよ」
サラッと言われた言葉に
苛立ちを覚える。
「これウチのケーキだし、
余計なお世話よー!!」
怒鳴り返した時には
既にアズサの姿はなかった。
逃げ足が速いとは正にこのこと。
怒ってるはずなのに
ちょっぴり嬉しく感じた。