この恋路に幸あれ

梓Side





――――コンコン。


「一体、何だよ?」


家の中に居るのに
電話で呼び出された俺、梓。


「心ちゃんとこ行って
チョコケーキ買って来て」


呼び出した張本人の長女 柚姫。


心ちゃんとは
ケーキ屋の娘の心愛のことだろう。


「ついでにあたしの分もね~!」


姉の柚姫の部屋で寛いでいる
次女 水姫(ミズキ)が横から便乗する。


二人とも名前に"姫"という字が
あるだけあって人使いが荒い。


さして言うなれば
俺は二人の家来…いや召使に近い。


「何で俺が…!」


「そんなの今日が
バレンタインだからに
決まってるじゃない」


平然と言うに
「そうそう」っと同意のするように
大きく頷いていた。


そんなので納得出来るかよ!



< 4 / 19 >

この作品をシェア

pagetop