この恋路に幸あれ
ホワイトデー
梓Side
「梓、分かってるわよね?」
この感じ…前にも似た様なことが…。
家に居るのに
いきなり電話で呼び出されて
心愛の家の店にケーキを買いに行かされた。
しかも俺の奢りで。
あ、そうか
あれは忘れもしない今年のバレンタインだ。
あの日同様に
柚姫に呼び出され
今の状況に至るホワイトデー。
しかも何故だか
水姫まで居るという…。
「で、何の用なわけ?」
何となく想像は付くが
とりあえず聞いてみる。
「今日はホワイトデーよ!
ってことは私たちに
何か渡さなきゃいけないでしょ?」
自信満々で言う柚姫は
相変わらず強気だ。
「あの…俺バレンタインに
チョコ貰ってないんだけど」
むしろ買わされたのだ。
それなのに
ホワイトデーを要求する姉貴たち。