裂かれたキボウ~a scar
実は、その頃の私は腕の関節が酷く弱かった。
ある日幼稚園の側の公園で鉄棒で遊んでいた私。
腕に力を入れ、今前回りをしようとした…その時。
「…いたっ」
腕に激痛が一瞬だけ走る。ふと腕を見れば、それはぶらんと力が抜け揺れていた。
(また、やっちゃった…ママに怒られちゃう)
勿論、そのあとは幼稚園の先生に見つかり、母に病院に連れていかれた。
「チセちゃん、またやっちゃったの?」
お医者さんが微笑みながら、私の腕を掴み関節を治していく。
「だからあまり鉄棒はするなって言ってるのに…」
母の雪枝は溜め息を吐く。
ふてくされたその時、一瞬また激痛が走った。
「はい、もう大丈夫だよ」
「先生すみません、ほらチセお礼を言いなさい」
「…ありがとうございます」
手を動かすと、まだ違和感はあるものの、ちゃんとそれは動いていた。
その先生、実は同じ幼稚園の男友達の父親だったのだ。
私が関節を外す度、何度も治してもらっていた。
ある日幼稚園の側の公園で鉄棒で遊んでいた私。
腕に力を入れ、今前回りをしようとした…その時。
「…いたっ」
腕に激痛が一瞬だけ走る。ふと腕を見れば、それはぶらんと力が抜け揺れていた。
(また、やっちゃった…ママに怒られちゃう)
勿論、そのあとは幼稚園の先生に見つかり、母に病院に連れていかれた。
「チセちゃん、またやっちゃったの?」
お医者さんが微笑みながら、私の腕を掴み関節を治していく。
「だからあまり鉄棒はするなって言ってるのに…」
母の雪枝は溜め息を吐く。
ふてくされたその時、一瞬また激痛が走った。
「はい、もう大丈夫だよ」
「先生すみません、ほらチセお礼を言いなさい」
「…ありがとうございます」
手を動かすと、まだ違和感はあるものの、ちゃんとそれは動いていた。
その先生、実は同じ幼稚園の男友達の父親だったのだ。
私が関節を外す度、何度も治してもらっていた。