【完】好きじゃない。
それから、彼はクラスの中心的人物になり始めていた。
「ねぇ、椎葉ー! グミいるー?」
「くれんの?! サンキュー!」
「ってか、椎葉髪はねてる〜!」
「うっせ!」
…あぁ、帰りたい。
とてつもなく、帰りたい。
こういう話は、廊下とか、教室の隅でやってよね…。
隣で、リア充の会話。
頭が痛い。
授業が始まれば、椎葉はトントンとあたしの腕を叩く。
「?」
「いる?」
椎葉の手のひらには、あたしの好きなチョコレート。