雨 傘 物 語
あたしをギラギラと照りつける太陽
まだ5月なのに、真夏みたい
買ったばかりのアイスクリームも、
もう溶けてベトベト
この暑苦しさは、あたしの大嫌いな
甲子園に燃える野球児たちに似ている
儚く冷たい夢を熱い想いで溶かそうと、
毎日を一生懸命過ごしている彼ら
あたしはそんなこと…
これっぽっちもないから
心のどこかで僻んでいるのかもしれない
そんなことをぼーっと考えながら
パタパタと手で仰ぎ、
風を作りながら目的地へと向かう