幼なじみ

「よし、そろそろ、帰る支度してバスに乗って最後にみんなで工場見学だ!」
先生がみんなに合図を送って
帰る支度を始める

私が一番楽しみにしていた
工場見学…
楽しみにしてたのに…
でも、楽しめないよ

「ねえ?みなみ?」
「ん?」
「いつまで、うじうじしてるの?なにかあったのか知らないけどさ!」

うじうじ?
私は別に、うじうじなんかしてない…
千佳にこの気持ちなんかわかんない…

「千佳はいいじゃん!悩んでないから!私のことはもうほっといて!」
「!みなみ!!」
私はその場から逃げた
千佳は私のことを思って
言ってくれたのに…

私ってサイテ―だ…

それから、バスの中では
もちろん、私と千佳は会話はなかった
真崎と悠斗は不思議そうに私たちを見つめているだけだった

「よし!工場に到着したぞ!さあみんな降りろ」
行きたくない…
千佳と悠斗に合わせる顔なんてないよ…

「先生…」
「どうした?」
「具合悪いんで、降りなくていいですか?」
「本当か!?大丈夫か?」
「車の中に乗ってるんで、安心してください」

先生は、保険の先生を呼んで車に乗せると
みんなを連れて
工場の中へと消えていった

仮病使っちゃった…
こんなに、苦しくて…辛い
どうしてこんなことになっちゃったの?

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