17-セブンティーン-
近くにいた橘さんが声を挙げた。
「あ…あたしも用具」
「…」
そしてぴらっと《当たり 用具》と書かれたくじを見せた。
「…」
「よ…よろしくね」
「うん、こちらこそ」
話したことない女子よりはよかったかも。
ちょっと騒がしくなってる黒板あたりから少し離れたところで、
いつものように他人事のように黒板を眺めているハルがいた。
「ハルくんは何に当たったの~?」
からかい半分で聞いてみると、ハルは顔を黒板に向けたまま、ぴらっとくじを見せてきた。
《大当たり》
「…」
「俺は基本、行いがいいからな」
ここでもいつものようにニヤッと笑い、鼻あてをくいっとあげた。
こいつの偉大さを改めて思い知らされた。
そしてある意味で《はずれなし》のくじを作った
新クラス委員のポジティブシンキングに、俺は尊敬すら感じた。
放課後、早速係ごとの集まりが行われた。
集合は基本、自分の担当の2個前…ということで、まずは自分がどの種目に出るのかのアンケート。