17-セブンティーン-
確かに特進は普通クラスより人数が少ない。
人数を制限すると、多少の支障が出るのかもしれない。
そのとき。
「休憩長いな~バスケ部」
現れたのはまたタチの悪そうな集団だった。
ダルそうな足取りで、嫌な笑みを浮かべている。
そのメンツを見るなり、数人は周りを伺いながら立ち上がった。
しかし残り半分は座り込んだままだ。
「おつかれさまでーす」
座り込んでる半数がだるそうに挨拶する。
全然おつかれなんて思ってないってのが、俺でもわかる。
俺はこっそり翔太に「3年?」と聞くと、翔太は小さく頷いた。
なるほど、立ち上がったのは1年、座り込んでるのは2年か。
「おい、キャプテンも副キャプテンもいねぇじゃねえか。
どうなってんだよ新チームは」
嫌みなのだが、返事はもちろん
2年は誰1人として3年を見ようとしない。
3年の嫌みを上回る、重たく嫌な雰囲気を2年は作り上げる。
可哀想なのは、身動きひとつ出来ないでいる1年だ。
この門を通ろうとしていた他の生徒たちは、みんな黙って別の門に回って行った。
俺も、一抜けしようにも動ける雰囲気じゃない。