17-セブンティーン-


確かに特進は普通クラスより人数が少ない。
人数を制限すると、多少の支障が出るのかもしれない。

そのとき。


「休憩長いな~バスケ部」


現れたのはまたタチの悪そうな集団だった。
ダルそうな足取りで、嫌な笑みを浮かべている。

そのメンツを見るなり、数人は周りを伺いながら立ち上がった。

しかし残り半分は座り込んだままだ。


「おつかれさまでーす」


座り込んでる半数がだるそうに挨拶する。

全然おつかれなんて思ってないってのが、俺でもわかる。


俺はこっそり翔太に「3年?」と聞くと、翔太は小さく頷いた。

なるほど、立ち上がったのは1年、座り込んでるのは2年か。


「おい、キャプテンも副キャプテンもいねぇじゃねえか。

どうなってんだよ新チームは」


嫌みなのだが、返事はもちろん
2年は誰1人として3年を見ようとしない。

3年の嫌みを上回る、重たく嫌な雰囲気を2年は作り上げる。

可哀想なのは、身動きひとつ出来ないでいる1年だ。


この門を通ろうとしていた他の生徒たちは、みんな黙って別の門に回って行った。

俺も、一抜けしようにも動ける雰囲気じゃない。




< 104 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop