17-セブンティーン-
「じゃあ明日な、英治」
「今日もバイトなんだろ?頑張れよ」
賢と翔太は笑って、俺の肩を叩いた。
だから俺も
「おう、お前らも練習がんばれ」
と、何事もなかったかのように返事した。
俺の返事を聞いて、2人は行ってしまった。
少し校門を出てみて、3年生が消えた方向を伺うと、まだ遠くに影が見える。
にしてもなんであんなに仲が悪いんだ…?
いつの間にかこちらの門も人通りが戻って来た。
あの3年生たちと逆方向だったのが幸い。
俺はチャリを走らせた。
日はまた改まって、今日は体育祭リハーサル。
只今、用具係のテント内で待機中。
「ねぇ、西原くん」
「うん?」
「あの3年生の南条って人」
指をさせないため、橘さんは首をあっちに向けたりこっちに向けたりする。
「バスケ部の元キャプテンの人だよね?」
「…」
その一言で、初めて顔を上げてみる。
グラウンド半周ずつの100メートルリレー。
こちら側のスタートラインに立ち、つま先を立てて足首を回している。
克哉センパイだ。