17-セブンティーン-
テストの前日、午前中で授業が終わり、俺はまっすぐ家に帰った。
母親はパート。
弟は小学校。
妹は保育園。
平日の昼前ゆえに狭いおんぼろアパートでも、部屋が広く感じた。
カップラーメンで昼食を済ませて、雨が降り出したので洗濯物を取り込み、軽くプリントを眺めようかと鞄を取った。
明日は古典、英語。
今日の帰りに、古典のプリントが10枚近く配られた。
それから授業中に提出したプリントも戻ってきた。
まず束を手にとり、枚数を確認すると全部で13枚。ふざけろ。
ぱらぱらと見ていると、あることに気がついた。
戻ってきた方のプリント
No.1、2、4………。
「うそだー」
思わず声に出してしまった。
言いながら後ろに倒れた。
今日もらった10枚のプリントは、ちょいちょいやっかいな問題があり、授業中のプリントがないと答えが出ない。
学校まで取りに戻るか
明日の朝、最大級の集中力で乗り切るか…
しかし朝は英語にあてようと決めていて、古典はそれこそ3分くらいで仕上げようと考えていた。
外はやっかいな雨。
無理してチャリ乗って、風邪でもひいたら馬鹿らしい。
俺は傘と小銭を持って、家を出た。