17-セブンティーン-
「そこまで言うなら、お前が教室で保坂さんを庇えば良かったじゃねぇか」
宇宙人の顔色が変わったのがわかった。
この瞬間俺は
「教室に上がっても来れねぇやつが、勝手なこと言ってんな」
コイツの絶対領域に踏み込んでいた。
「わかってて何もしないで、
他人のせいにするお前の方が
よっぽど最低なやつだ」
「…!」
「自分の出来ないこと棚に上げて
一人前に俺のこと否定してんじゃねぇよ…!」
俺は窓から離れて反対側の自分の席まで行き、荷物を取って教室を出た。
悔しくて、悔しくて
自分だって言いたい放題言った。
わかってる。
でも、逃げても逃げても出ていかない。
俺の中を渦巻く、得体の知れない何かが。
息が荒くなる。
脈が波打つ。
喉が渇く。
「う…っ」
いつの間にか外に出ていた。
脚の力が抜けて、へたばり込む。
手が震える。