17-セブンティーン-


おじいちゃんくらいの歳の男なら大丈夫なのだが、

教師や医者など自分の近くにいる大人の男が怖くて仕方なかった。


しかし《あの人》は俺相手だけではあきたらず、外でも暴れるようになり

傷害事件を起こし、お袋とは塀を越えて離婚が成立。


俺の中で残ったのは、左腕の傷だけだった。


そして現れた《新しいお父さん》。


俺はいつも遅くに家に帰っていた。

父さんと再婚してからお袋はずっと家にいたのだが、

家に帰るのになるべく時間をかせいでいた。


再婚を機に引っ越しをし、時期で言うと小学校2年のゴールデンウィーク明けと言う

極めて中途半端な時期に俺は転入生となった。


ずっと、家に居場所がなかった俺は、人付き合いもかなり苦手で

前の学校でも友達は出来ず、今の学校でも誰とも打ち解けられずにいた。


自由に使うお金もない俺の唯一の娯楽は、図書室の本。

むしろ本は友達であった。


新しい学校の図書室は前の学校の図書室より大きくて
1回に最大5冊借りれるシステムだった。






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