17-セブンティーン-
「…ちゃん!おにいちゃん!」
「…」
起き上がろうとするが、里香がお腹に乗っていて思うようにいかない。
きついので諦めた。
「兄ちゃんそんなとこで寝てたら、今日1日絶対辛いぞ~」
俺の顔を覗きこんで、陽介がからかう。
朝だ。
布団もひかず畳の上で、
父さんの仏壇の前でいつの間にか寝てた。
「い゛っ!」
起き上がろうとすると、陽介の言ったように、腰から背中から肩から首から、いろいろ痛い。
「どうしたのよ?風邪ひいてない?」
お袋が心配そうな顔をした。
まだ暑い時期だったからよかった。
風邪はひいてないようだ。
俺は頬の涙を拭う。
そして父さんを見る。
夢に父さんが出てきた気がする。
それはすごく久しぶりなことだ。
すごく幸せな夢を見たような
その逆の悲しい夢だったような…
ただ
大丈夫だって言ってくれてたのを覚えてる。
それを思い出したら
父さんは笑っていた気がする。
時計は7時半をさしていた。
7時半を…?
7時半!?
「ヤっベっ!」
俺は慌てて立ち上がり、急いで朝の支度をした。