17-セブンティーン-
正直悩みなんかないように見えるタイプだ。
いや見えるだけで、実際は翔太も悩みのひとつやふたつはあって当たり前。
しかしここまでデカイ1つを
ずっと抱えていただなんて、
想像もつかなかった。
だから意外だった。
何事もあまり深く考えないと思ってた。
気づいてやれてなかった。
一瞬ショックだったが、ふと思い直し立ち直った。
「俺に言いに来たってことはさ」
「うん」
「なんで?って聞いていいってことだよな」
再びゆっくり翔太を見る。
そんなに離れてないが、表情はわからない。
ただ雰囲気が、今まで感じたことのないような緊張感に包まれていた。
「全然さ…楽しくないんだ」
「…」
翔太はうつ向いた。
「わりぃ…英治がくるギリギリまで、どこから話そうかって考えてたんだ」
「ゆっくりでいいぞ」
「うん…でも…俺の頭じゃ整理つかなくて…」
翔太がうつ向く代わりに、俺は夜空を見上げてみた。