17-セブンティーン-
それでも、俺を頼って俺を待っていた翔太は
他の誰でもなく、昔から知る翔太だ。
だったら俺も変わらず翔太と向き合えばいい。
次の日、翔太は学校を休んだ。
「珍しいよな」
賢がぽつりと呟いた。
その横顔はだいぶ寂しそうだった。
俺は…
夜にずっと俺を待っていたから
風邪でもひいたんだろう…
と思うことにする。
ある日の放課後、図書室で時間を潰していた。
書庫を物色していると、保坂さんを見つけた。
思わず身を隠す。
ん…?いやいやいや…
正直言うと、俺は彼女を探していた。
体育祭が終わってから、1度も口をきいていない。
宇宙人との一件もあって、なんとなく気まずく、なんとなく気がかりだった。
かと言って保健室に行く気はない。
だから保健室の次に会える確率の高い、図書室にずっと通っていた。
彼女は相変わらず、授業は30分もせずドロップアウト。
でも最近は何かと休みがちだった。
教室に来ていないだけで、保健室にいたかもしれないけど。
棚の影からそっと様子を伺う。
保坂さんは、1冊の本を手に取ってページをめくっていた。