17-セブンティーン-


次の日、テスト初日の朝。
俺の前の前の前の席のやつが


「本当わりぃ…」


と、申し訳なさそうに俺に1枚のプリントを差し出した。


「紛れてたの気づかなくてさ、連絡しようにも家電知らなかったし、それより気づいたの夜中だったし…悪かった。間に合うか?」


俺はプリントを受け取り


「予備があったから、間に合った。気にするな」


と、昨日のプリントをひらひらさせた。

それを見ると安心したように
「今度から気をつける!」と席へ戻って行った。


3日間という激闘の末、テストは終わった。


「バイト今日から?」

「いや、今日まで休みもらった」

「そか。じゃあ月曜日な」

「おう、おつかれ」


翔太と賢は俺に軽く手を上げて、1週間ぶりの部活へ向かった。

俺は、今日までに提出だったプリントをすっかり忘れていて、居残り中。


テスト明けの教室は、驚くほど早くみんないなくなった。

空腹をこらえてプリントを埋めていく。

にしても今回は本当に、プリントにツキがないな。


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