17-セブンティーン-
土日のファミレスというのは、いろんな客層が集まり、賑やかである。
ここが俺のバイト先だ。
テストの次の日からバイトに復帰した俺は、店長に声をかけられた。
「新しく入った遠山さん。
西原くんと同じ歳みたい。
土日だけシフト入ってもらうことになったから、いろいろ教えてあげて」
店長が紹介すると、遠山さんという子は俺に
「よろしくお願いします」
と頭を下げた。
「あ、はい」
と店長と彼女の2人に返事すると、店長は「よろしく」と離れて行った。
「えっと…」
遠山さんは言いながら、俺の胸元の名札を見た。
それに気が付いた俺は改めて挨拶した。
「あ、西原です。えっと…高2?」
「はい!」
彼女は俺の目をしっかり見つめて返事した。
「バイトは初めてですか?」
「そうなんです。でも土日のファミレスって…」
彼女は言いながら店内を見回した。
「大丈夫。すぐに慣れるよ」
「よろしくお願いします」
「あ、敬語なくてもいいけど?」
彼女は目をぱっちりと開き、ちょっと首をかしげながら視線をそらし、再び俺の目を見た。
「じゃあ…ちょっとずつ」
彼女の答えに俺はただ頷いた。
彼女も満足そうに笑った。