17-セブンティーン-
未知との遭遇
教室じゅうがざわめくHR。
「どうだった?」
翔太が賢に近づく。
「ちょっ、のぞきこむな」
「いいじゃねぇかよ~後でわかることなんだからぁ」
「お前がいるとゆっくり成績も確認できねぇよ」
HRで先日のテストの成績が返ってきた。
いつもよりも騒がしい理由は、個人成績表だった。
個人情報うんぬんと騒がれる今日、成績順位が貼り出されるという風習は
少なくともうちの学校にはない。
「まぁ100位内はギリいけたぜ。っても97だけどな」
「すげっ!でも俺も133だぞ?平均65突破したからな」
バスケ部のノルマをパスした2人は盛り上がっていた。
「なぁ英治」
「んー」
「お前どうだったの?」
「俺はいいよ」
「隠すなよ」
賢が睨む。
そんなつもりはなかったので、黙って成績表ごと渡した。
「56位…」
言ったのは賢ではなく翔太だった。
「声出すなよ」
「あっ、わり」
賢は俺の成績表を凝視していた。
俺はシャツの長袖を10センチほど捲る。