17-セブンティーン-
「お前、3日前までバイトだったよな」
「詳しくは覚えてないけど…」
成績表に載っている順位は、学年順位だけではない。
クラス順位も載っている。
俺はクラス1位だった。
テストが返ってくるたび、教科担当が
「このクラスは平均が高い」
と誉めていたが、
多分、賢は少なくともクラス3位内。
翔太は10位いくかいかないかだろう。
賢はしばらく俺の成績表を握って
「さすがだな」と俺に返した。
翔太が頬杖をついた。
「英治なんで特進入らねぇの?」
「バイト忙しいし、勉強興味ねぇし」
「ふーん」
翔太が再び口を開こうとしたとき
「静かにして下さい」
と背の高い黒縁のいかにもなクラス委員が前に出た。
「9月の体育祭に向けて、応援団とチアのメンバーを決めたいと思います。
各3名ですが希望者いませんか」
体育祭、もうそんな時期か。
うちの学校は9月から練習が始まり、
演舞とダンスは夏休みに特訓を開始する。
だいたいメンバーは、クラスにいる《アツい》やつらで既に暗黙で決まっているものだ。