17-セブンティーン-
いつもの日常
「暑いな。暑いわ」
「午後から雨らしいよ」
「マジか…!俺今日も元気にチャリぶっ飛ばして来ちまったぞ」
「じゃあ帰りも、雨に打たれながら元気にチャリぶっ飛ばしたらいいよ」
「…」
何か言いたげなこいつは上園翔太。
それを軽くあしらうのが並岡賢。
「それより英治」
パンを頬張ったまま、俺――
西原英治は顔だけ横に向ける。
「暑くねぇの?長袖」
賢はちょいちょいと、俺の長袖を引っ張る。
「だな。俺なんか半袖でこの汗だぞ」
賢の奥から翔太がバーンと脇を大公開する。
思わず吹き出す俺。
「お前食事中に変なもん見せんな…。しまえ。そして速やかに離れろ」
「ひでぇこと言ってくれるぜ!それでも友達か?」
「友達か?だってよ、英治」
「お前に言ってんだろ」
「どっちでもいいわ。どっちでもいいから早く俺の《友達だ!》と言えよ、この俺の大親友どもが」
「あれ?アスファルトが湿った匂いがする…降ってきたか?」
「無視か」