17-セブンティーン-
びりーびりーびりーびりー…
びりっびりっびりっびりっ…
教室は紙をちぎる音しかしていない。
この教室だけでなくて、この辺りの教室でも課外は行われてないらしい。
ひたすら紙をちぎる音と、遠くから太鼓の音。
もう演舞の練習も始まってるんだな。
ちぎり過ぎてだんだん指が痛い。
「あのっ、西原くん…」
「はい」
「今まで女の子と付き合ったこととかありますかっ」
「え、なんで?」
「え…なんでって…」
橘さんは困ったような顔をした。
そうか、彼女はこの沈黙が気まずかったのか。
会話強制終了させてしまった。
申し訳ない。
「ないよ」
「え」
「ってか女の子好きになったことない」
「…」
あれ?会話続けてみたのに終わってしまった。
え、逆に気まずい。
「意外…」
「え?」
「告白されたりとか…ないの?」
「んー…あったような…」
「付き合おうって…ならなかったの?」
「うーん」
「え?女の子に興味ないの?」
「うーん…」
興味ないのかもしれない。