17-セブンティーン-
「冷た過ぎるだろ…」
「気にしたらキリないぞ」
「1年のときからあんな感じなの?」
「うん…なんか…そうだなぁ…気にしちゃいけないっていうか…」
翔太が頭をひねっていると、午後の授業開始のチャイムが鳴った。
戻ってくる気配のない、彼女の席を盗み見る。
そして、暗くどんよりとした窓に視線を移す。
初めて彼女の奇行を目にしたときは驚いた。
もちろん、驚いたのは俺だけではない。
忘れもしない、初日のHR。
穏やかなおじいちゃんな担任、麻生先生が軽く自己紹介をして
『クラス委員をどなたか』
とこちらに投げかけた。
皆、視線を下げて静まる教室にガンガンガン…とその音はよく響いた。
クラス委員が決まり、拍手をしていたときだ。
ガラガラガラという窓の音に、クラスのほとんどが彼女を振り返った。
窓の手すりに足をかけたときは、彼女の周りがそれを止めた。