17-セブンティーン-
しばらくして宇宙人は、書庫で片付けをしていた司書さんと出てきた。
「これね」
カウンターに座った司書さんが、1冊の本を受付して宇宙人に手渡した。
「ありがとうございます」
「まだいるでしょ?この前新しい本入ったから見ていってね」
一部始終を観察。
なるほど
宇宙人はリクエストしていた本が来たから、わざわざ夏休みに図書館に来たのか。
宇宙人は司書さんに適当に挨拶すると、新書コーナーを少し確認して図書室を出た。
しばらくして俺も作業を再開した。
ぼちぼち埋まったところで作業は終了。
「ありがとうございましたー」と司書さんに挨拶して、俺も図書室を出た。
昇降口に向かい、階段を降りて行くと、何やらこちらに向かってくる足音が聞こえる。
顔を出したのは
「にしはらくん!」
「保坂さん」
同時だった。
「てづかくんに聞いたの。にしはらくんが、図書室にいるって」
彼女は笑った。
え、あいつ
俺に気づいてたのか…。
あいつに気づかれていることに、気づいてなくて隠れてた俺。
「どうしたの?」
「いや…なんでも」