17-セブンティーン-


毎日暑くなっている気がする。

今日も俺はいつも通り、里香を保育園に送り

前と同じように、ママチャリで登校した。


「おはよう」

「おはよう」


前と同じように、駐輪所に橘さんがいた。


教室に入ると、意外な人物がそこにいた。


「あれっ、クラス委員」


しゃがんでいた彼は立ち上がり、よっと手を挙げた。


「なんでいるの」

「昨日、今日来る予定だったやつから連絡あってな。代わりに来た」


言うと、クラス委員は俺と橘さんを交互に見て


「でもお邪魔だったかな」


と意味深に笑った。


「そそそそんなことない!」


真に受けた橘さんが、顔を真っ赤にして否定した。

さらっと流しておけばいいものの、さらに「ねっ?」なんて俺に同意を求めて来るから、「うん」と言っておいた。

そしたらしばらく固まった。


「でもほとんど完成してる。うちのクラス意外と真面目なんだな。優秀だよ」


クラス委員はまるで他人事のように言う。



< 76 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop