17-セブンティーン-
毎日暑くなっている気がする。
今日も俺はいつも通り、里香を保育園に送り
前と同じように、ママチャリで登校した。
「おはよう」
「おはよう」
前と同じように、駐輪所に橘さんがいた。
教室に入ると、意外な人物がそこにいた。
「あれっ、クラス委員」
しゃがんでいた彼は立ち上がり、よっと手を挙げた。
「なんでいるの」
「昨日、今日来る予定だったやつから連絡あってな。代わりに来た」
言うと、クラス委員は俺と橘さんを交互に見て
「でもお邪魔だったかな」
と意味深に笑った。
「そそそそんなことない!」
真に受けた橘さんが、顔を真っ赤にして否定した。
さらっと流しておけばいいものの、さらに「ねっ?」なんて俺に同意を求めて来るから、「うん」と言っておいた。
そしたらしばらく固まった。
「でもほとんど完成してる。うちのクラス意外と真面目なんだな。優秀だよ」
クラス委員はまるで他人事のように言う。