17-セブンティーン-
「クラスが真面目なのは頭が真面目だからだよ」
「まぁな」
口先だけで返事して、クラス委員は隅々まじまじとパネルを観察している。
「このぶんだと今週じゅうに出来るかな」
パネルは、この前保坂さんと来たときより、さらに進んでいた。
ここまで来るとさすが迫力も出てくる。
俺たちは早速、画用紙をちまちま破る作業に入った。
時間を忘れて黙々と作業をしていると、クラス委員が口を開いた。
「西原、今日バイトは?」
思わず時計を確認すると
「あ、わりぃそろそろ…」
意外と夢中になってしまっていた。
教室はもうオレンジ色に染まっている。
「もうこんな時間か」
「充分だな」
俺たちはさっさと片付けに取り掛かり、橘さんは窓を閉めた。
「鍵返してくる」
と言ったクラス委員を、ママチャリに跨がって待っていた。
昇降口から出てきたクラス委員は、俺のママチャリに一瞬目を丸くする。
「イカしてるだろ」
先制は俺。
「あぁ、かなりな」
クラス委員はニヤッと笑った。