17-セブンティーン-


「あ、ありがとう…2人とも…」


橘さんは俺の顔を覗き込み


「なんか…ごめんなさい」


と言った。
かなり申し訳なさそうだ。

その真面目さがなんとなく可笑しくて


「謝ることじゃないよ」


言うと、橘さんは顔を真っ赤にして

また「ありがとう」と笑った。


無事に橘さんを送り届けた男2人の影が伸びる。

すたすたと俺の少し前を歩く背中に声を掛けてみた。


「なぁクラス委員」

「なんだ」

「当てていい?クラス委員姉ちゃんいるだろ」

「いるよ、2人な。なんで?」

「やっぱりな」


俺はチャリに跨がり、片足だけサドルに掛けて歩く。


「なぁ西原」

「なに」

「お前モテないだろ」


キキッ!

運転してないのに、ブレーキを握ってしまった。

クラス委員が振り返る。


「…」

「…」

「図星か」


俺は横を向く。
クラス委員は前に向き直る。


「冗談だよ。自覚ねーんだな。お前モテてるよ」

「は…?」

「いい男だからな」


クラス委員の意図がわからない。

弄ばれてないか?俺。


そのときふと、あることを思い出した。






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