17-セブンティーン-
俺は足を一瞬止めて、また動かした。
突然ぶつけられた本音に、たじろいでしまったのだ。
「しかも、保坂さんともう1人って…西原知ってたのか。
"もう1人"が学校来てるの」
「いや、保健室にさ俺…あの仮のときのスケジュール持ってったんだよ、2枚」
宇宙人の席はちょうど俺の席の対角線上
窓側の先頭にある。
始業式から、教室に1度も姿を表してない宇宙人は、当然のごとく、いわゆる《不登校》だと思われている。
実は《保健室通い》だなんて誰も考えないだろう。
俺もそうだった。
ぽつんと空いたあの席も、今ではうちの教室の"風景"になってしまって、
きっと誰も気にも止めない。
「保坂さんもだけど、特にもう1人…あー、手塚って言うんだけど…
同じ日にしてたやつに、来ないかもしれねぇじゃんとかなんとか、ご託並べられてな、
あーあー確かに、とか言って外させてもらった」
「そうか…」
「2人共、片方は俺、もう片方は女子のクラス委員と一緒にしてたんだぜ」
クラス委員は苦笑いをした。
さすがにそこまでは見てなかった。