１７-ｾﾌﾞﾝﾃｨｰﾝ-

当たり前…

あまりにさらっと言い過ぎるものだから、聞き逃しそうだった。

いやむしろさらっと言い過ぎだから、耳に残ったのかもしれない。


「クラス委員って肩書きで、担任にいろいろ頼まれたんだ。

先生も彼女らも何も言わなかったけど、お前が保坂さんと関わり持ち出したことも何となく気づいてた」

「…」

「嫌か？」

「いや…そんなこと」


保坂さんと仲良しだと思われるのが嫌、だった。

さっきのさっきまで。


しかし、２人をはっきりとクラスメイトと呼ぶクラス委員の前では

正直、わからなくなってる。


それはきっと自分の考えが、頭の中で《悪》と判断されるのを恐れているからだ。


「だからお前は見込みあるやつなんじゃねえかと思ったんだ」

「そんな大層なものじゃ…」


そんなクラス委員のように、心砕いてまで保坂さんのことを考えたりしていない。

自分のポジション守ることで頭がいっぱいだ。

きっとこの先も…俺は何も変わらない。