17-セブンティーン-
ただひとつわかったことは
保坂さんに対しても、クラス委員に対しても
俺が1番の偽善者であるということだ。
「俺の言葉を笑い飛ばしたり、遮ったり、流したりしないだけ、お前は他のやつらと違うよ」
俺の自己嫌悪を見抜いたかのように、クラス委員は言った。
「最後まで聞いてくれてありがとな。感謝する」
俺は首を横に振った。
優しい言葉に甘えているのは俺だ。
「クラス委員がうちのクラスのクラス委員でよかったよ」
俺の言葉に、クラス委員は爆笑した。
「なんだよ…」
「キモいな。なんか俺たち超キモい」
クラス委員は眼鏡を外して涙を拭った。そのまま汗も拭った。
「まぁ~クラス委員も1学期までな。夏休み終わったらその呼び方やめろよ」
改めてそう言われ、あぁもうすぐで2学期か…と思いつつ
改めて、気がついた。
「…名前なんだっけ」
俺たちの間に沈黙が流れる。
「お前…クラスメイトの甲斐ないな…井森だよ、井森元晴」
「ヤモリ?」
「…そのジョーク聞いたの、小学生ぶりだな」
さり気なく『お前は小学生レベルだ』と言われてしまった。