17-セブンティーン-
夏休み終盤のバイトでのことだった。
ホールに立っていると、店の隅に座っているお客さんたちが、なにやら落ち着きがない。
そのテーブルで接客していた女の子が戻ってきた。
「どうかしたんですか?」
女の子は少し怯えた表情を浮かべて、口元に手をあてた。
「お店の外に、怪しい人が…」
「怪しい人?」
隣にいた店長が聞き返した。
「いつから?」
「お客さまは先程気付かれたそうなんですが、もう暗いですし、多分あのテーブルに通したときにはいたと思います…」
「そうか…」
店長はホールを見渡す。
あいにく時間が時間で、すでに満席。
席を移動させることもできない。
「店長、俺ちょっと外見てきます」
「あぁそう?頼むよ」
俺は直ぐに店の外に行き、裏から回って人影を確認した。
ちょっと様子を見るが、ここからでは顔が見えない。
でも見るからに小柄の男。
このくそ暑い中、全身ごあごあした感じの格好をしていて、怪しいことこの上ない。
近づいてみると
カツン!カラカラカラ…