【ほのB】リトル・プリンス
「やっぱり!
 ……じゃねぇよ!
 なんで、あんたがそんなこと知ってるんだ!」

「もっと、知ってるぞ。
 最近、螢は。
 ここで一緒に住んでいる、ハインリヒと自分のことを、書いたじゃん?
 なんで、自分が同性愛者だって、バラしたの?
 とうとう書くネタが切れたのか?」

「……マジ?」

 ……しかも、僕の書いた物語を本当に、読んでるなんて!

 思わず止まった、抵抗を、ヤツは、見逃さなかった。

「スキあり!」

 ……なんて、嬉しそうに叫ぶと。

 ヤツは、手際よく、僕の布団を剥がして、呆れたように声を上げた。

「……なぁ。
 いつも思うんだけどさ。
 なんで、螢は真っ裸で、寝てんだよ?
 パンツぐらいはかないと、お尻から風邪を引くって、ママから教わらなかったか?
 背中に彫った竜や、山ほどある傷がカッコイイから、ハインリヒに自慢してるの?
 それとも昨日の夜も、エッチして、そのまま眠っちゃった、とか?」

「……っ!」

 僕の背中に刺青された、大嫌いな竜のことを言われ。

 最愛のパートナーである、ハインリヒ……ハニーと夜の生活まで指摘され。

 僕は、とうとうキレた。

「いい加減にしろよ、クソガキ!」

 僕は、片手で、乱入者の首根っこを掴み。

 ぽい、とベッドの開いてる場所に投げ捨て、カラダの上から追い払うと。

 素裸のまま立ち上がった。

「まだ、小学校(ガッコ)にも行ってねぇ六才児が、生意気なことを言ってんじゃねぇよ!
 字が読めるからって、あんたにケイタイ小説は、早すぎるし、夜の楽しみについて何か言うのは、もっと早い!!」

 言って僕は、両手を腰に当てた。

「しかもハインリヒを、そのまま呼び捨てんじゃねぇ!
 あんたの母親の兄貴だろ?
 ハインリヒを呼ぶ時は、ちゃんと伯父さんと呼べ!」




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