【ほのB】リトル・プリンス
 いきなり、抱きしめられたはずの里佳の方ではなく。

 僕の方が、かなり混乱しているのに気がついたらしい。

 螢君、変だよ……と、戸惑って。

「本当に、どうしたの?」と近づいて来た里佳から逃れるように。

 僕は、悪いけれど……と言葉を濁した。

「……ごめん。
 夜勤明けで、どうやら調子が出ない……みたいなんだ。
 自分の出る所の確認だけで、ものすごく悪いけれど……
 今日は、もう。
 先に帰らせてくれないかな……?
 明日の本番は、ちゃんと踊るから。
 今日は、もう、許してくれるかい?」














 
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