【ほのB】リトル・プリンス
「……というわけで、納得したら直斗を起こして、さっさと帰れ。
 口では、カッコイイコトを言ってるけど、本当にカラダが持たないんだ」

 それこそ、秒読みでもしたくなるほど、余裕のない僕に、シェリーは、今度こそ帰る支度をしながら言った。

「……本当にごめんね?
 お詫びに、ちょっとだけ、手伝ってあげる」

 お、おい!

 シェリーの目が据わってるぞ?

 手伝うって!

 この状況で、一体ナニを……!

 直接抱かないからって、シェリーに、手とか口とかで、余計な所を触られたら、同じじゃないか!

 絶対マズイ。

 確実に飛ぶ理性が怖く。

 目を見張ってる僕の目の前で。

 シェリーは、避妊具が入っていてもおかしくない、大きさのポーチを取りだすと。

 ……

 ……中から携帯電話を出して、電話をかけた。

「……そちらに、霧谷博士はいらっしゃいますか?
 ……はい……はい。
 あっ、兄さん?
 あたしよ? 志絵里。
 螢ちゃんが、大変なの。
 すぐに帰って来てあげて?」








 
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