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第1章.予期せぬ旅立ち
第1節.
喪失感の中で何日間を過ごしたであろう。
何ヶ月間であったかも知れない。
だが、まだ暑苦しくも無いのできっと一年間は経っていないのだろう。
そろそろ動かないとこのまま腐ってしまう。
道に横たわる多くの人々の様に・・・
もう会社には行かなくて良いようだ。
かと言って、何をする?・・・
すぐに答えは出なかったが、周りの状況にも多少の興味が出て来ていた。
「車もあるし、出かけてみるか。」
あの日から、ごく近場に最低限のモノを「取り」に行くことしかしていなかった。
基本的に食料を「取り」に行っていたのだが、カップラーメン、缶詰、あとは時間が経っても食べられる一部の食品に限られていた。
この間、あることに気付いては居たのだが、意識はしていなかった。
それを明確に意識の中で認識するまでにはもう少々時間を要した。