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「こんにちは。」


「・・・。」


軽く引いた感じで会釈をされた。

明らかに警戒されている様子だったが、続けて話してみる。


「今がどういう状況なのか、何か知りませんか?」

女性「いえ、何か知ってるんですか?」


予想に反しない返答であった。

このあたりのコンビニでフラフラしている様だから、私と似たような時間を過ごして来たのだろうということは想像がついていた。


「いや、オレも家族が亡くなってから、ほとんど家を動いてないから何も分からないんだよね。」

「だから、これからもっと都心に行って、人と会って話を聞いてみようと思ってたところなんです。」



「そうなんですか…。何か分かったら私にも教えてもらえませんか?」

「あっ、でもどうやって聞いたらいいんだろう…。」

「携帯はだいぶ前から通じていないですよね?」


どうやら彼女も話に興味は持ってくれたようだ。


「そうなんだよね。と言っても、誰が生きているのかも分からないし、近くに生きている知り合いも居なかったから携帯も使って無かったけどね。」


家を聞こうかとも思ったが、やはりそこは抵抗があるだろうとやめておいた。

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