僕らの瞳にうつる世界。
◇
次の日。
昨日の夜はあの場所へ行けなかった。
合わせる顔がないって言うか……
…とにかく!
今日、半沢さんに返してもらおう。
「あっ、光先輩!」
その時、偶然にも聞こえて来たのは半沢さんの声だった。
下駄箱に靴を納して、声のした一つ隣の下駄箱の方を覗く。
そこに居たのは先輩と半沢さんの2人だった。
「これ、石田さんにもらったんです。要らないからって」
「…………」
「ひどいですよね、石田さん。せっかく光先輩がくれたのに……」