僕らの瞳にうつる世界。


返事は、ない。

…って、当たり前か。


あっくんが着ていたユニホームと制服が1年前と同じ所にかかってある。


懐かしいなぁ。


机に触れてあの頃を思い出す。



『彼女とか作らないの?』


『興味ねぇ』


『何で?』


『何ででも』



中学3年生の春。


ダンベルで腕を鍛えながらあっくんは答えたよね。

その答えにあたしは嬉しかったし、悲しかったんだよ。


好きな人が居なかった事は嬉しかったけど

あたしの事も好きじゃないんだって思ったら悲しかった。


あっくんはいつからあたしの事が好きだったの?

聞きたかったな。


あたしは覚えてないよ。

うんと小さい頃から大好きだったから。

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