僕らの瞳にうつる世界。
あっくんから貰ったネックレスを外す。
『俺の夢は、プロ野球選手になること』
『?』
『でもさ、その夢を叶えた時、結衣が隣に居ないと意味がないんだ』
あの時。
『だから……付き合わない?』
告白してくれて、本当にありがとう。
それからあっくんが亡くなるまでの2ヶ月は本当に幸せだったよ。
一生忘れない。
――… だからケジメとして言うね。
「あっくん、別れよう」
ありがとう。大好きでした。
誰よりも、何よりも。
…開いていた窓から風がやって来て、フワリとカーテンを揺らした。なんだかそれがあっくんの返事のような気がして。
あたしは笑った。