僕らの瞳にうつる世界。





「うちも最近光と話してないからなぁ」



ピンク色のカーディガンを着ている明日香は自動販売機からミルクティーを取り出しながら言った。


放課後のあたし達。



そっか。

明日香も先輩と会ってないんだ。



「まあ、元気出しな?」


「むりだよぉ… 先輩に会いたい~っ!」



ムッと頬っぺたを膨らませる。

そんなあたしを明日香は呆れたように笑う。



「やぁ、お二人さん!」


「宝先輩!」



宝先輩の登場に目を輝かせるのはもちろん明日香。


彼の後ろに彼を探してガッカリするのは、もちろんこのあたし。


< 154 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop