僕らの瞳にうつる世界。
◇
「うちも最近光と話してないからなぁ」
ピンク色のカーディガンを着ている明日香は自動販売機からミルクティーを取り出しながら言った。
放課後のあたし達。
そっか。
明日香も先輩と会ってないんだ。
「まあ、元気出しな?」
「むりだよぉ… 先輩に会いたい~っ!」
ムッと頬っぺたを膨らませる。
そんなあたしを明日香は呆れたように笑う。
「やぁ、お二人さん!」
「宝先輩!」
宝先輩の登場に目を輝かせるのはもちろん明日香。
彼の後ろに彼を探してガッカリするのは、もちろんこのあたし。