僕らの瞳にうつる世界。
ガラガラッ―――
「…っ………」
蜂蜜色の髪。美しくも幼い表情(かお)。
…久しぶりに見た彼の姿に、息の仕方を一瞬で忘れた。
先輩……!
言いたい事は沢山あるはずなのに胸がいっぱいいっぱいで言葉が出て来ない。
「最終審査に残ったんですよね?」
「…………」
「おめでとうございます…っ」
どうしよ、声が震えて…
先輩は無表情のまま。
そしてあたしに近づくと、そのままあたしの横をすり抜けようとした。
咄嗟に彼の腕を掴む。
「待ってください…!」
いやだ。
「どうして避けるんですか!?」
避けないでください。
「あたしっ、何かしましたか!?」
あたしの心が裂けそう。