僕らの瞳にうつる世界。
「恋って辛いね……」
「うん」
涙も乾いて来た頃、明日香が窓の外を見ながら呟いた。
彼女の足元に座るあたしは体育座り。
「好きな人に好かれるって難しい」
「…………」
「でも好きなキモチは変わらない」
確かに、明日香の言う通りだ。
変われない。消えない。君への想いは。
だから物凄く悲しい。
「よし!カラオケでも行くか」
「…うん。でも、そんな気分にはなれないから…ごめんね」
あたしがそう言うと「そっか。わかった」と明日香は言って。
「一人になりたいんでしょ?じゃあ優しい明日香様は帰ろうかな」
そう笑うと明日香は音楽室を出て行った。