僕らの瞳にうつる世界。
第2章‐出逢い、彼女の傷あと‐
「ただいま……」
我が家に足を踏み入れる。
久しぶりにあんなに大泣きしたからか、体がダルい。
「結衣、遅かったじゃない……って、あんた買い物袋は?」
「え?…あ、コンビニに行くの忘れてた」
そういえば、コンビニに行くって言って家を出たんだっけ。
……すっかり忘れてた。
アハハって笑って見せると「まったく、結衣は本当におっちょこちょいね」ってお母さんに笑われた。
それにちょっと安心したり。
「早く寝なさい。明日は入学式なんだから」
「はぁい…おやすみ……」
……入学式、か。