僕らの瞳にうつる世界。
第1章‐あなたの傍へ逝きたい‐
ねぇ。
この世界に何を求めればいいの?
あなたの居ない世界は本当につまらない。
「あっくん……」
ベッドに身を沈めながら机の上に飾られている、あっくんとのツーショット写真を見つめる。
泥だらけのユニフォームを着たあっくんと、制服姿のあたし。
あっくんの中学最後の試合が終わって、彼のお母さんが撮ってくれた写真。
2人とも笑ってる……。
森山 敦。
あたしとあっくんは生まれた時からずっと一緒だった。
――〝幼なじみ〟。
それがあたしとあっくんの長年の関係だった。
それに終止符が打たれたのは去年の夏。
そう、あの写真を撮った後、あっくんの提案でキャッチボールをしていた時だった。