僕らの瞳にうつる世界。
「今、なんて……」
青ざめたように呟くと先輩は、そそくさとギターを片付けた。
訳が分からないあたしは彼を見つめる。
「今から明日香ん家行くぞ」
「えっ、なん……」
「早くしないと明日香の命が危ない」
明日香の命が……危ない?
事の重大さに思わず思考が停止した。
それを分かってか、先輩があたしの手を掴んで立ち上がらせるように引っ張った。…厳密に言うと手首だが。
「早く。行かないのか?」
「っ…行く!」
フッと一瞬笑うと、彼はあたしの手を引いて走り出した。
明日香……!
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