僕らの瞳にうつる世界。


「自分の存在価値がわからなくて。うちって生きてる意味あるのかなって、そもそもうちは生きてるの?って………気づいたら、やめられなくなってた」



自分の存在価値。

自分の生きている意味。

自分が生きている証。


それを確かめるために、明日香は鋭い刃を手首と、心に突き立てた。



「不安なのっ…いつも独りで…寂しくて……」



そうするしか、心を満たす術が無かった。



「それでも変わりたくて…。高校は誰も知り合いが居ない高校を受けて。実家からは遠いから独り暮らしして……」



……違う。

本当は心なんて満たされてなかった。



「…だけど、変われなかった」



傷をつければ、つけるほど

心の溝は広がり。


傷を深くすれば、するほど

心の溝は深まった。



「明日香……」



心の傷を癒す方法は……?

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