僕らの瞳にうつる世界。
「もう少し早く明日香と出逢ってれば、明日香を独りにはさせなかった」
そうしたら。
「明日香に辛い想いをさせずに済んだのに」
出逢うのが少し、遅かったね。
出来ることなら、もう少し早く明日香と出逢って、明日香を支えたかった。
「もう明日香を独りにはさせない。あたしは明日香が必要だよ!」
生きることに、価値なんて存在しない。
左手首を押さえる明日香の右手の上に、あたしの手も重ねる。
「明日香は生きてる」
「結衣……」
「ちゃんと生きてるよ」
不安になるなら、あたしが証明する。
何度だって。